守るのは、自身だけではないのです

今日はふたつの対照的な記事を見つけたので、それについてちょっとお話。

あなたはどっち?

ユーザーの9割が不安を感じながらネット利用 - @IT [@IT]
Japan.internet.com Webマーケティング - ほぼ半数がオンライン詐欺被害に遭わない自信――シマンテック調べ [Japan.internet.com]

上のふたつの記事は、恐らく中身は同様なんじゃないでしょか。一方では「脅威・不安」を誇張し、一方では「自信・安心」を伝えてます。
面白いですね。

避けられない脅威

オンライン詐欺などの「脅威」は本当に巧妙化の一途を辿ってると思います。
私なんかは、ワンクリック詐欺(くらい)に対しては、どんな手口なのかわざとリンクを踏み踏みして確認したりするのですが、それでもやっぱり不安です。今までは大丈夫だったけれども、それがちょうど「手口の過渡期」だったとしたら?
引っ掛かって終りですね。
でもやっぱり「手口を知る」というのは、最大とまではいかないけれども、やはり防衛効果としては良いです。なので、これからも実証は続けていくかなー?みたいな。

また、現在の「脅威」の質は、少々変容もしているんじゃないでしょか。
と、いうのも、いくら個々人で対策を施し、確たる自信を持ってネットを歩いていても、一旦預けてしまった第三者からの漏洩、クラッキングによる被害なんてのは、全く予想外であり防ぐ方法すらありません。
上の場合は、主に預ける対象をオンラインバンクなど、比較的規模の大きい環境でのケースを指してます。このような場合、そこに明確な落ち度がない限り、どうしようもないのが実情でしょうか。どんなに堅牢な防壁も、世の中にはそれを破ってしまうクラッカーっていると思いますし。

ハッキングとクラッキング

ちなみに、ここで改めて「ハッキング」と「クラッキング」の違いを示しておきます。簡単にですけどね。
  • ハッカー,ハッキング・・・情報やシステムの欠陥を見つけ出す人、手口
  • クラッカー,クラッキング・・・悪意を持って、情報やシステムの欠陥から事項を抜き出し、利用する人、手口

身近な現状

最近も、軍関係の資料が流出したり、電機会社社員の醜態が晒されたりしているわけですが、これは本当に恐ろしい状況だと再認識せねばなりません。しかし、ここでいう「恐ろしい」対象というのは、流出や漏洩ももちろんではあるのですが、それ以上に「個人の意識の低さ」にあるわけです。
Winnyやウィルスによる感染・拡大の恐れは「予測出来ること」なんです。それは、今までの垂れ流しによる事件から明らかなわけですが、いったい何を持ってこの人達はそれに挑んでいたのでしょうか?
何の手段も講じていないというのは論外なわけですが、それが防衛手段を講じた上での自信により生じた怠慢という可能性は否定出来ないわけでして。


なので、不安を持つ、というのは正直疲れる事なんですが、これが第一の防衛に繋がるんじゃないか、と思います。不安を持ってれば、常々のセキュリティアップデートも定期的に行い、情報を預ける瞬間に一時の悩みが生じるはずです。例えば、あるサイトに情報を登録する際も、本当に最低限のものにしたり、本物でなくて済むなら、それを入力しておく、とか。
自分は大丈夫。対策ソフトを入れてるからそれでヨシ、とせずに、他に出来る事は幾らもあります。

少々大変ではあるけれども、それらの”面倒さ”は、自分はもとより、関連する人・情報、といった、手の届く人達をも守る事に繋がって行くのではないのかな?と思います。


最後にもうひとつメモ。
ITmedia エンタープライズ:オンライン取引が広がるもネット犯罪の認識は不十分――シマンテック調査 [ITmedia]

高度な知識 ≠ 正しいネット犯罪知識

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